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「MaaSの時代-その理解と実装のためのヒント」 ~トヨタ自動車株式会社の考えるMaaS~講演会を開催

投稿日:2019.11.22

令和元年11月22日(金)、第5回インフラ整備委員会は、株式会社 国際経済研究所主任研究員 宮代陽之氏講師となり「MaaSの時代その理解と実装のためのヒント」~トヨタ自動車株式会社の考えるMaaS~と題し勉強会を開催、38名が熱心に聴講した。

講演者 ㈱国際経済研究所 宮代陽之氏

1.なぜモビリティ(サービス)なのかについては、従来型自動車ビジネスの倍以上の収入機会が存在するだろう。また、ヒトの移動は膨大な宝の山であり、将来的にカ―シェアを利用して自動運転に発展していくと、収入は25倍に増えるだろう。
2.MaaSへのアプローチについて
  ・フィンランドは、国家事情で、自家用車への過度な依存を軽減させたいため、移動だけではなく、関連
   諸情報・決済等諸機能すべてを統合するワンストップサービスをスタートして、これがMaaSとなった。 
  ・MaaSの裏側にあるのは、様々な交通手段で、どうやって都市・地域にあった交通のバランスを作るか
   である(リバランシング)である。日本、高松でもこの目線で考えると、現実的なMaaSが見えてくる。
  ・地域・都市が何を考え、何をやりたいか、その実現のためにMaaSが役立つかどうかという発想で
   考えなければならない。
3.MaaSの理解について(「チョイ乗り」「相乗り」がカギを握る) 
 MaaSの意義とは ~「マルチモーダル」・「ラストワンマイル」・「相乗り」~
  コミュニティバス、自動運転ミニシャトル、2人乗超小型モビリティ等あるが、ユーザー視点と求めるニーズ
   により(快適性・自由度と正時性・時間効率・経済合理性)、乗り物を選択できることが大切である。
  ・「2次交通=ラストワンマイル」の手段について
   都市内では、チョイ乗りの最適化(表定速度:駅や信号の停車時間も含めた平均速度)と
   自由度・自在性の掛け合わせが重要になる。
   また、自動運転シャトルEVバス(手軽さ、乗降の容易性)=トヨタのEパレットなどや、マイクロモビリティ
   (電動キックボードのような12名向きのもの)などの利用が進んでいく。
4.日本版MaaSを考えるヒント
 MaaSには目的が必要である。MaaSの3つの目的として、①「地域・コミュニティの維持」、②「地域・
  コミュニティの価値向上(マネタイズ)」③「地域・都市の経済的付加価値創出・増大」が考えられる。
 1)MaaSは、色んなバリエーションを可能にする1つのアプローチである。地域に合わせて対応する。
 2) 生活圏MaaSの切り口 ~束ねること~
  ・個の生活交通には多くの担い手が存在(家族・送迎サービス)するが、それを束ねることである。
     ・高齢者の移動を考える。
    ・子育て世代の女性の移動を考える (子供の有無にかかわらず自家用車の利用比率が高い)
    ・地方では、自家用車の利用増がある。
    →これからのMaaSは、様々なシーンを仮定して考える必要がある。
5.ビジネスモデル化への示唆について( MaaSによるビジネス構造変化の観方)
従来は、車と道路の考え方は、両方で分けて(上下分離)考えていたが、MaaSの発想では、両方合わせて細分化して考えることが重要である。
 1)観光について
   観光スポット分散型の観光地をゾーニング、専用モビリティ区域として多様な移動ツールを導入し
   サービスを提供すること。一方、来訪者増・滞在時間増による波及経済効果も期待できる。
 2)「チョイソコ」の例(6つのポイント)
  ①市の積極的コミットメント (高齢者の健康増進:外出したくなる街づくり)
  ②高齢住民の困りごと・要望ヒアリングに基づき、民間企業が可能なサービス提供
  ③介護給付を抑制するためのコト作り伴うモビリティ
   → アイシン精機とスギ薬局が高齢者の憩いの場をつなぐオンデマンド型乗り合い送迎
  ④工夫満載の運行・運用→ 相乗り前提のタクシー、目的地は乗り継ぎ
  ⑤コミュニケーション重視 (モビリティを超えてコミュニティになっている)
   → 会員には毎月「チョイソコ通信」発送し、運行に関する情報やイベント等情報発信
  ⑥運用の妙→車両2台で目的地を分散する
   ・着実な効果と事業拡充で限界利益を確保 
   ・地元企業や大手企業もスポンサー参加(行先から会費徴収)
   ※会費徴収が増え、市の補助金も減額へ

    6.MONETコンソーシアムについて
     ・困っていることは、企業数・自治体数が各400を超え、これらの企業・自治体とどのような組み合わせで、
      どういった形でサービスをオファーしていくのかが大きな課題と認識している。
     ・MONETテクノロジーズとは、地域密着型MaaSをどういった発想でやるのかを意見交換している。
     ・各自治体のニーズをくみ上げながら、産業の枠を超えて進めていこうとしており、その中でソフトバンクは
      データの共通基盤をつくり、オープンな形のイノベーションをやっていく方向であろう。

    その後は、参加会員から、質問や要望含め活発な意見交換が行われ当委員会は終了した。