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第2回文化芸術スポーツ委員会「瀬戸内のアート資源を価値化し、文化創造の土壌をはぐくむ」Web講演会

投稿日:2020.11.5

 

講師:瀬戸内アートコレクティブ片倉氏

 令和2年11月5日(木)文化芸術スポーツ委員会は第2回目のWeb講演会を開催し45名が参加した。瀬戸内アートコレクティブDirector 片倉 恒  氏に講師となっていただき「瀬戸内のアート資源を価値化し、文化創造の土壌をはぐくむ」と題して講演頂いた。まずはじめに村上委員長より挨拶があり、「近年、アートの価値が広く見直され美的観賞だけでなくビジネスシーンにも効果的に取り入れられるようになった。また、教育や医療などの分野や、社会課題の解決においてアートが役立つこともある。この講演によりアートの新たな可能性を感じ取ってもらいたい」と話した。
 講演は瀬戸内アートコレクティブの取組内容の説明から始まり、アートの付加価値や、グローバル市場と日本市場の比較について述べたのちに、国内のアート産業における現状と課題について説明した。それによるとグローバルでのアート市場が約6.75兆円なのに対して国内は2,430億円程度に留まっており、まだまだ伸びしろがあることや、日本のミュージアムは収集予算が少なく購入力が弱いこと、優遇税制が弱く寄贈も少ないことなどが課題のひとつであると説明した。またレビューが少なくアート批評が脆弱であることや国際発信力が極めて弱いことなども問題であると述べた。続いてマネックス証券のアートインオフィスや寺田倉庫(天王洲COMPLEX)などアートを活用する様々な手法を用いた「プレイス・ブランディング」などの事例について紹介したうえで、瀬戸内のアート資源の価値化に向けた提言を述べた。課題としてはアート推進者同士の連携が不十分であることや、持続的に供給される資金源が無いこと、グローバル市場へのアプローチができていないことなどが挙げられ、瀬戸内アート推進者のネットワーク化やアーティストへ資金が還流する仕組み作りが重要である旨を述べたうえで、瀬戸内アートインキュベーションセンター「SAIC」について紹介した。最後に、「まずは『瀬戸内アート資源の価値化』についての議論の場が必要である」とまとめた。参加者からは多くの質疑があり片倉氏が丁寧に解説した。現代アートの魅力や瀬戸内アートの価値、ビジネスとの関わりや課題など日常生活においてやや馴染みの少ない芸術分野について考える意義深い講演会となった。