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第3回防災委員会「香川経済同友会アンケート結果を踏まえたBCPについて」WEB講演会開催

投稿日:2021.3.2

 令和3年3月2日(月)防災委員会は香川大学 四国危機管理教育・研究・地域連携推進機構(IECMS)地域強靭化研究センター 創造工学部 防災・危機管理コース併任 特命准教授 磯打千雅子氏を講師としてお招きし、「新型コロナウイルス感染拡大の影響をふまえた事業継続計画(BCP)取り組み状況調査結果」と題してWEB講演会を開催し、41名が参加した。昨年10月に香川経済同友会会員企業368社に対して行ったアンケート調査についての結果報告が主な講演内容だった。防災対策の実施状況や事業継続計画の取り組み状況、新型コロナウイルス感染拡大による影響など全28問の設問に対して134社から回答(回答率36%)があった。調査結果の概要としては、BCPの策定状況については策定済み・策定中と92社(69%)が答え2017年時点の73社(58%)を大きく上回った。策定予定を含めると85%の企業が今後整備されると期待され、BCPにおける水害や土砂災害の対象状況については、99社(87%)の企業が自社の危険性をハザーマップで確認していると回答するなど、南海トラフだけでなく水害への意識の高さがうかがえた。ただし従業員や取引先の危険性を把握している企業は約2割と少なく今後の課題といえる。新型コロナウイルス感染拡大に対する長期的な影響についての設問に対しては、72社(54%)が二割以下の減収と答え、今後1年間の新規事業機会の増減を問う設問には53社(40%)が影響なしと回答した。
 総じてBCP策定率、防災対策の実施状況は着実に推移しており、災害や自社の環境の変化に応じた見直しがなされていることや、風水害への対策が重視されつつあるといえるほか、自社の災害環境の理解はハザードマップ等で確認されている。ただし従業員や取引先の災害リスクについての把握については道半ばであることが今後の課題。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響については今後も長期化が予想されるが、社内の業務フローの見直しを行い、オールハザードに対応可能なBCPへの進化が望まれると解説した。
 最後に「バックキャスティング」による事業戦略立案についての話題提供があった。「バックキャスティング」とは重大な変化を予想し、備えることで、例えば「南海トラフ地震は『必ず来る』もの」と仮定して「災害発生時や災害の半年後、1年経過後、2年経過後、私たちはどうしているか?社会はどう変化しているか?」等を検証し、そこから遡って今すべき防災対策や、事業戦略を立てると良いとまとめた。また、2018年からバックキャスティングによる防災対策立案やコロナ禍の対策立案について女性目線で考える検証会が行われており、その結果についての事例も紹介された。
 昨今は、南海トラフや、台風の大型化に伴う風水害の甚大化、新型コロナウイルス感染拡大など様々なリスクが頻発する状況下で、BCPの重要性を学ぶ大変貴重な講演会となった。

 

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