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第1回インフラ整備委員会「観光地型MaaSの現状と展望」WEB講演会開催

投稿日:2021.6.24

令和3年6月24日(木)第1回インフラ整備委員会(第1回地方創生委員会、第3回技術革新委員会、第1回観光振興委員会)として、㈱日本政策投資銀行関西支店 企画調査課長 樫村 直樹氏、同 企画調査課 須藤 瑠衣氏を講師にお迎えし、「観光地型MaaSの現状と展望」と題した講演会を開催し、Web参加を含め計50名の出席があった。
 冒頭、松村インフラ整備委員長から「香川経済同友会では2年前に、地域計画・交通計画におけるMaaS活用の提言を香川県と高松市へ実施した。当時はMaaSとは何であるかという議論からスタートした。その後MaaSの有効性が分かるにつれ、全国での導入がスタートして、これからの公共交通にはなくてはならないものとなっている。一方、日本政策投資銀行様が観光地型MaaSのレポートをまとめられた。本日はそのお話を聞かせていただきたいと思う。」という挨拶があった。
 樫村 直樹氏のご挨拶があった後、須藤 瑠衣氏から説明が始まった。『昨年度、半年から1年かけて観光地型MaaS現状と展望というレポートをまとめたので、その内容を中心に説明したい。
 MaaSとは、移動者のニーズに対応して、様々なモビリティサービスを最適に組み合わせ、検索・予約・決済等を一括で行えるサービスである。1段階目といえるコアなMaaSとは、公共交通や新型輸送サービスなど複数のモビリティの検索・予約・決済を一元化することで、シームレスな移動を実現することである。2段階目MaaSとして、関連サービスとの連携小売、物流、医療、観光サービス等によって、移動需要を喚起することであるが、まだ、地域全体でMaaSが入っていくようなヨーロッパ型のものは、まだ実現していないように感じる。高次といえる3段階目のMaaSは、データをフィードバックして、まちづくりやインフラ整備へデータ活用できること。日本の多くのMaaSは一元化した情報をもとに予約・決済機能をアプリ等でワンストップで提供しているが、あらゆるモビリティサービスを1つのパッケージとして定額制で提供するまでには至っていないため、まだ2段階目MaaSの状態であると考えられる。
 MaaSの持続可能な展開に向けては、利用者価値(利用者ニーズ)を満たすと同時に、事業者価値(収益化など)および地域価値(地域課題の解決)を満たす「三方よし」の実現が求められる。
 また、観光地型MaaSの主な国内事例として、①Izuko(東急ほか)伊豆半島②奥京都MaaS(京阪HDほか)京都市③setowa(JR西日本ほか)瀬戸内エリアを紹介したが、事業展開に向けた課題として、観光地型MaaSを持続的かつ自立的に提供して行くためには、各事業者が事業継続に必要な収益を確保していくことが求められる。特にマネタイズが難しいのがオペレーター(交通事業者やソフトウェア事業者が大半)であり、収益源としては観光関連サービスの手数料程度に留まり、補助金をベースに事業を展開している。収益化の方向性として、民鉄の多様な収益機会を作る(自社のポートフォリオ全体での収益機会の拡大やコストの削減)ことや複数地域での事業展開で商圏拡大を図っている。
今後の課題として、MaaS同士の相互連携が重要となる。特に観光地型MaaSの場合、連携は広域観光の促進にもつながると期待される。
 そして、観光地においては、従来からの観光ニーズ(体験重視やデジタル化、多言語対応等)に加え、コロナ禍を経て加速した非接触化や混雑回避、ワーケーションといった新常態の観光ニーズに対しても、スマホ1つで対応し新たな新たな観光スタイルを提案する「観光コンシェルジュ」と呼べる観光地型MaaSの活用意義は大きいものと考えられる。』と結んだ。
 その後「Maasはプラットフォームビジネスであるが、規模を拡大し、どこかのプラットフォーマーが覇権をとるのか、地域ごとに共存するのか?」や「高松市と三豊市でMaasに取り組んでいるが、利用者目線で考えていくことは重要であるが、事業者目線で進めざるを得なくなっているがどうか?」等、活発な意見のやり取りが行われ、講演会は終了した。