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第1回文化芸術スポーツ委員会「 アート県かがわ版 アート×ビジネスの形を模索しよう」WEB講演会開催

投稿日:2021.7.28

令和3年7月28日(水)第1回文化芸術スポーツ委員会、第4回技術革新委員会として、アートアンドリーズン株式会社 代表佐々木真純氏、book pick orchestra 代表 川上 洋平氏(選書家/ブックセレクター)を講師にお迎えし、「アート県かがわ版 アート×ビジネスの形を模索しよう」と題した講演会を開催し、Web参加を含め計40名の出席があった。今回は、講師から事例紹介があった後、真鍋委員長がファシリテーターとなり、対談形式の講演会となった。
 冒頭、真鍋文化芸術スポーツ委員長から「本日はアートを通じて多くの企業や個人と関わってきたお二人(アートアンドリーズン社の佐々木様、ブックピックオーケストラの川上様)を講師に迎え、実例を踏まえながら、「アート×個人」「アート×企業」【アート県かがわ】ならではの形を探りたい」と挨拶があった後、講演会は始まった。
まずは、佐々木さんと川上さんの自己紹介があった。佐々木さんから、特筆すべきは、世界中にビエンナーレ、トリエンナーレ、様々な芸術祭が開催されているが、瀬戸内芸術祭が圧倒的に来場者数が多い。この事実をどうとらえていくかが大切なことであるという示唆があった。
その後、真鍋委員長から、”アートとビジネスが接近しているのはどういうことか”という問題提起に対して、以下の発言のやり取りがあった。
『(佐々木氏)山口周著”世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?”等が今のアートブームの起爆剤となっている。今はいかに問題や問いを立てられるか?ということが大事な時代になっている。問題を解決するより問いをたてること。問いに対して、イマジネーション(想像力)を使って、コンセプトを作る。チームワークについてもそうだ。この一連の行動は、日常、美術を制作している現場で行われていることと同様である。それはアーティストの振る舞いそのものと言える。アート思考について、例えばアーティストの振る舞いから我々が学ぶものがあると思っている。そこに皆さんの想いが共振しているのではないだろうか。
(川上氏)事例として、Apple創始者スティーブジョブスの直観について、説明や分析で導いた結果ではなくて、瞬間的に響くポイント、理由はないが、導かれる感覚というところを大切にすることで、Apple社はジョブス氏を中心に成功してきた。そういう決断の仕方はアーティストと類似している。美術館に行っても、作品を見るより、キャプション(誰がいつ作ったのかという情報)を見る人が多い。つまり、どの作品がいつの時代の何で、どういう評価をされているよりも、自分はどの作品が好きなのか、心に響いたのかに向き合うということが、同じ美術館へ通っても違う感覚が磨かれると思う。誰か有名な人の言っているアートの答えを言えるようになるということは、答えというか解決を目指す考え方でアート思考といえない。いかに専門家が言っていても僕はこう思うということを言えるようになる。そういう姿勢がアート思考に近い。』
その後、アート×まちづくりについて、”アートを切り口に若い移住者をふやしていくことは可能か”についての議論があった。『たとえば、香川県で対応を迫られている文化遺産といえば、丹下健三さん設計による「船の体育館」がある。昨日香川県のHP「旧香川県立体育館」の利活用に向けたサウンディング型市場調査を実施することが公表された。川上さんは、それに対して、今後「役に立つ」から残すではなくて、「残す意味がある」という視点から進めていくべきだという意見があった。「船の体育館」でイベントをしましょうとなると、入札案件だけでは聞こえなかった声がたくさん聴けるようになる。そういうやり方が文脈でいうアート思考的な可能性の広げ方である。「船の体育館」をモニュメントとして捉えると、逆に経済的価値を広げることができるだろう。』等、活発な意見のやり取りが行われ、有意義な講演(対談)会となった。